61.脱プラから始めるSDGs~身近な取り組みから、よりよい世界を目指すために~

環境に関する事

“SDGs”とはなにか、説明できますか?

最近テレビや新聞など、様々なメディアで見かけるようになった“SDGs”。実はわたしたちにとても関係のある事柄ですが、「聞いたことはあってもよく知らない」という人も多いのではないでしょうか?
SDGsは「エス・ディー・ジーズ」と読み、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)という言葉の略称です。2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すための国際目標で、17のゴールと169のターゲットから構成されています。ここで取り上げられている「17のゴール」とは、社会、経済、環境といった世界が直面する課題を網羅的に示しており、発展途上国だけでなく、先進国も含めたすべての国の目標として掲げられていることが特徴の一つです。

こちらのカラフルなイラストの中に、SDGsの17のゴールが表現されています。

ここまで聞いても正直、わたしたちに関係があるのかどうかピンと来ないかもしれません。しかし、例えば「ごみを分別する」や「レジ袋ではなくマイバッグを持ち歩く」といった取り組みであれば身近ではないでしょうか?実はこれらもSDGsにつながる行動なのです。

SDGsは、各国政府による取り組みだけでは達成が困難です。様々な団体、そして一人ひとりの行動に、SDGs達成の鍵があります。そこで今回はSDGsを考えるきっかけとして、わたしたちの身近で起こっている“プラスチックごみ問題”を例に、SDGsを通してわたしたちができることをご紹介します。

なぜ今、プラスチックごみが問題視されているのか?

わたしたちの身の回りにはプラスチック製品があふれています。ここまでプラスチックが普及したのは、 “軽い”、“加工しやすい”、“丈夫”というプラスチックの特性の力が大きいでしょう。しかし、環境省によると1950年以降に生産された83億トンのプラスチックのうち、63億トン(約70%)がごみとして廃棄されています。さらに、ごみとして回収されたプラスチックごみであっても、79%が地中へ埋め立てられるか海へ投棄され、リサイクルされているプラスチックはたった9%にすぎません。そして、現在のペースでプラスチックを廃棄し続けると、2050年までに120億トン以上のプラスチックが埋め立てられたり、自然へ投棄されたりする試算になります。これは海に住む魚の重量よりも、プラスチックごみのほうが重くなるかもしれないほどの量と言われています。プラスチックごみの問題は海だけにとどまりません。

最近特に問題になっているのが「マイクロプラスチック(5ミリ以下に砕けたプラスチックのこと)」です。プラスチックは自然界で分解されず地中や水中に残り続けるため、魚などの体内にたまります。やがて、わたしたちがプラスチックを取り込んだ魚などを食べることで、わたしたちの体にもマイクロプラスチックが蓄積すると言われています。まだ健康への明らかな被害は確認されていないものの、将来、体になんらかの影響が出る可能性があると考えられています。つまり、プラスチックごみを今のように十分にリサイクルせず捨て続けることで、生態系が崩れたり、私たちの生活・健康に被害が出たりする危険が非常に高いということです。では、プラスチックごみを減らすためにわたしたちができることとはなんでしょうか?

プラスチックごみを減らす工夫

プラスチック製の買物袋ではなくエコバッグを利用する

日本では2020年7月1日からプラスチック製の買物袋の有料化が始まりました。わたしたちの生活でも、商品を持ち帰るために、繰り返し利用できるエコバッグが浸透してきています。2020年11月に行われた環境省の調査によると、「1週間、レジ袋をつかわない人」は約70%(対象:15~79歳の男女2,100人)でした。身近なところからでも、一人ひとりがライフスタイルを変えていくことで、SDGsは達成へと近づきます。

詰め替えられる製品を選ぶ

シャンプーや洗剤など、詰め替えられる商品を選ぶこともSDGsにつながります。商品本体を購入するよりも、プラスチックの消費・廃棄量を減らすことができるだけでなく、詰め替え用の方が安いというのも嬉しい点です。最近では、詰め替え用の商品をそのまま使用するためのグッズも登場しています。

バイオマス原料の製品を購入する

“バイオマス”とは、植物や動物(特に、微生物)などの生物体を原料にするエネルギー資源のことを指します。バイオマス原料は再生可能な資源であり、例えばこれを25%以上配合したレジ袋は有料化の対象外とされています。レジ袋の他にも、お弁当の容器やプラスチックカップ、ボトルなどプラスチック製品と遜色ない製品も数多くあります。選んで購入することで、SDGsにつなげることができるでしょう。

まとめ

プラスチックは確かに便利です。しかし、環境のことやわたしたちの生活・健康を考えると、早くその使い方を考え直さないと大変なことになります。プラスチックごみ問題に限らず、よりよい世界を目指すための課題はまだ山積みです。SDGsは社会とすべての国の目標ではありますが、一人ひとりの取り組みによって支えられているのも事実です。そのことを忘れずに、できることからSDGsに取り組んでいきましょう。

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