「家に帰ったら手洗いとうがいをしましょう」と、毎年インフルエンザなどの感染症が流行する時期には言われていると思います。手洗いうがいは感染予防の基本ですが、実際の効果のほどはどれくらいあるのでしょうか?
手洗いうがいの効果
風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルスなどの感染症の多くは、人間の手を介して口から体内に侵入するといわれています。そのため、「まず手と口を洗うことで菌を洗い流す」ことは、とても理にかなった予防策となります。実際に手洗いの時間・回数による効果の研究では、手洗いなしの場合、残存ウイルス数が約100万個いるといわれています。しかし、流水で15秒ほど手洗いするだけでウィルスを流すことができ、さらに、ハンドソープを使って30秒程度もみあらいした後、流水でながせば約90%以上のウイルスを減らすことができるとも言われています。
うがいの仕方
うがいは、のどや口の中の乾燥を防ぐことで、口腔内の湿度を高めてウイルスの侵入を阻み、口の中や顔のまわりについたホコリや細菌などを洗い流す効果があります。
1度のうがいにつき15秒ほどかけて2、3回は行うようにしてみましょう。
1度目のうがいはまず軽く口の中の汚れを洗い落とし、2回目以降は声を出しながらうがいをすると、喉の奥まで水が届き、より高い効果が得られるとされています。
外出先でうがいや手洗いをしたい場合に気をつけること
外から入ってきた時に手洗いやうがいをするというのはとても重要で、こまめに心掛けたいところです。オフィスや学校などは、人によっては家にいる時と滞在時間が変わらないこともあります。家に帰った時と同じように、外から室内へ入ってきた後に手洗いやうがいを行いたいと思っている人も多いかもしれません。そこで気をつけなければいけないのが、石鹸やタオル、うがいの際のコップなどを他人と共有することです。その理由には、菌の生存時間が関係しています。いくつかのウイルスは、人への感染力をもったまま無機物の表面上で数時間から数日程度生存すると言われています。せっかく手洗いうがいを行っても、菌の保有者とタオルやコップなどを共有することで、ウイルス感染はむしろ広まってしまうのです。家庭と違い、人の多い場所では、タオルやコップなどを共有することによる感染リスクも気をつける必要があります。
間違った、うがいの仕方
外出先でうがいをしたい場合、コップがないからといって手で水をすくってうがいをするのはもってのほかです。手で水をすくってうがいをしてしまうと、手についた菌がそのまま口の中にいってしまいますので、絶対にやめましょう。また、備え付けの共用コップを使う場合も、他者と共有される前に除菌対策がしっかりされているかを気にかけるようにすることが大切です。
手洗いのこと
手洗いの際の石鹸は、容器に触れずに使える液体石鹸か、ポンプ式で接触面の共有が少ないものが理想です。手洗いの後に使うタオルですが、使った後に放置されると、そこに繁殖する菌は数億ともいわれています。個人ごとに使うタオルを分けたり、こまめに洗い替えたタオルを用意できないような場面では、代わりに使い捨てのペーパータオルを設置したりすれば感染のリスクを下げることにつながります。
外出先でうがいがしたいなと思った場合にどうしていますか?
水道は色々なところにありますが、問題はコップです。自分専用のコップを持ち歩こうと思うとかさばるだけでなく、カバンの中での清潔さを保つことは困難です。こういった時に使いたいグッズが、「うがい用紙コップ」です。うがい用のカップは、軽量で場所をとらず、成人の手の平の半分ほどの大きさです。使い終わった後はそのままゴミ箱へ捨てることができ、他人と共有せずに使える点も大きなメリットです。
手が洗えない場面で有効な方法
外出先など手洗いが出来ない場合は、おしぼりを使うことも一つの方法です。コロナウイルスの感染拡大が深刻化する中で、おしぼりを布製のものから個別に包装された使い捨てのおしぼりに変更する飲食店も増えてきています。
おしぼりは手洗い同様手についた汚れを落とすことができ、最近では除菌効果のある商品も出ています。個装おしぼりなら、包装から取り出すまで衛生は保たれ、石鹸やタオルを共用して感染するリスクを減らしながら、感染防止対策が可能です。普段から持ち歩けば、手軽に、そしてこまめに対策ができます。
まとめ
このように外出先でも便利なグッズを利用することで、ウイルス対策は手軽に行えます。人が集まる場所では特に気をつけて、予防対策をしっかりと行い、感染流行を乗り切りましょう。