業務復旧に欠かせないのはやはり“人”
度重なる災害対応に、多くの企業責任者が頭を悩ませているのではないでしょうか?2011年に発生した東日本大震災では、発災直後から交通機関が軒並みストップ。そのため震源地から遠く離れた地域でも、大量の帰宅難民が発生しました。
震度7を記録した2018年の北海道胆振東部地震では、北海道全域で大規模停電(ブラックアウト)が発生し、多くの企業が数日にわたって操業停止に追い込まれました。災害から素早く業務を復旧するために重視されるのは、やはり“人”の力です。だからこそ、平時から従業員の安否確認の方法を確立しておくことが企業に求められているのです。
安否確認とは
安否確認は、緊急事態において近親者の生死を確認し、さらに安全な状態が確保されているのかどうかを確かめる作業のことをいいます。企業においては従業員を対象としたものであり、内勤者はもちろん、営業職や現場作業者といった外勤者も含めた全従業員に実施します。従業員が今居る場所を確認し、ケガの有無や勤務の状況、事業を継続できるか否かなど、正確かつ速やかに確認するためにも必要な作業です。
安否確認の方法
従業員に対する安否確認の手段といえば、まず思い当たるのはメールと通話、そしてビジネス向けを含めた各種のSNSでしょう。ほかにも、外部のシステムを利用して安否確認を行うという方法もあります。自動送信メール機能や、システム登録者への一斉送信メール機能などにより、リアルタイムで安否情報の集計ができるため、企業のBCP(事業継続計画)策定にも役立つでしょう。
保育園や幼稚園、学校や学童施設でも普及していますね。また、災害用伝言板ダイヤル“171”は、NTT東日本が運営するサービスで、誰でも使用することができます。“171”とダイヤルしてから、音声案内に従って安否を確認したい人の電話番号を入力すると、伝言メッセージを登録・再生することが可能です。この災害用伝言板ダイヤルのweb版が、災害用伝言板(web171)です。自分の電話番号とメールアドレス、伝言を通知したい相手の氏名とメールアドレスか電話番号を伝言板に入力することで、web上にメッセージを残したり、web上から災害用伝言板ダイヤルに登録されたメッセージを確認したりすることができます。さらに、各通信事業者が提供する災害用伝言板にはアプリ版が存在する場合があります。こちらも、誰もが場所を問わず登録・利用が可能です。大規模な災害においては、各携帯会社が特設サイトを開くため、利用者はそのサイトからアクセス可能になります。
ただし法人利用向けではない点と、一部の機種では利用不可である点は注意が必要です。
安否確認で大切なこと
安否確認において、まずは、例外なく全員と確実に連絡を取り、安否を知ることを優先しましょう。1人も抜け落ちないように確認する必要があるため、日頃より緊急連絡網および、緊急時の連絡方法も含めた危機管理マニュアルをこまめに更新することが大切です。
安否確認を行う際は、事務所および部署、課、チームごとに担当者を指定すると、情報の統括がしやすくなります。
事業継続計画(BCP)の見地からも、組織として素早く確認を取ったうえで、結果を分析する必要があります。その上で、従業員に出勤を要請するべきか否かを判断するようにしましょう。
特に多くの従業員を抱える企業は、膨大な数のデータを混乱の中で可視化した上での判断を迫られます。どのようなフローで判断するか、あらかじめ決めておく必要があります。さらに、サーバーのダウンといったシステムの緊急事態に対応する人や、対外的な連絡をする人などを決めておくことも大切です。緊急時の各種担当者は、主担当がいなくても機能するよう、代わりに担当できる人をバックアップとして指定しておくと、指揮系統の混乱が最小限に抑えられるでしょう。過去の災害でも、携帯電話事業者の回線が音声通話の激増によりパンクし、携帯メールの着信が遅延する状況に陥りました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?ただ連絡を取るというだけの行為も、災害発生時は突然困難になるものです。速やかな安否確認をするためには、日常的な防災教育と訓練の実施が欠かせません。とくに防災備品などは災害が起こってしまうとすぐには手に入らなくなります。この機会に、みやこで取り扱っている防災用品をチェックして、安否確認方法の更新と併せて備蓄も十分なものにしてくださいね。