最近では和洋中にとどまらず、様々な料理のジャンルを扱うレストランでも、テイクアウトや出前が急速に普及しました。特に、和食や麺類のテイクアウトや出前を注文した時にほぼ必ずついてくる「割り箸」は、国内だけでも年間でも相当な数量が消費されており、料理のお供として欠かせない存在になりました。割り箸は種類が豊富で、箸の形状や材質によっても特徴は様々ですが、実は、どのような料理にも対応可能な箸というものもあります。それが「竹製の箸」(以下:竹箸)です。今回はそんなオールマイティな竹箸をさらに深く掘り下げていきます。
竹箸の特徴は?
竹箸の特徴は、強度があり油を吸いづらいことです。他の素材の箸と比べて、細く削っても割れないため、口の中で箸の感触が気になりづらく、料理の邪魔になりません。またこの箸は、「専門料理店(和食等)」「中華料理店」「焼肉店」「お寿司屋」などで特に使用されています。箸を長時間使用する料理や、油を多く使う料理などにも対応することができ、小さな食材もつまみやすく、シンプルで見た目もきれいと、まさにオールラウンダーの割り箸です。
※当店での業務用割り箸の購入データより算出
木の箸と何が違うの?
「箸」といえば「木で作られたもの」と思い浮かべる人が多いかもしれませんが、そもそも箸は古来、竹で作られていました。箸に木が使われるようになったのは、加工のしやすさとコストを抑えるために、輸入した間伐材が使われるようになったことがきっかけだと言われています(諸説あり)。
竹箸が木箸と違う点は、大きく「軽さ」、「細さ」、「強さ」の3つです。
竹は木よりも軽く、箸にすれば力を入れずに食べ物が取れるため、子供やお年寄りでも比較的使いやすいといえます。
また、木箸では割れてしまったり重くなってしまったりするフォルムも、竹箸であれば木よりも細く加工しやすく理想的なフォルムが実現できるという利点があります。竹の「靱性(材料の粘り強さ)」も、内部に強靭な繊維を持つからこその特性で、木箸よりもできることが多いことが分かります。
竹箸にはどこの竹が使われている?
竹箸に使われている竹は海外製がほとんどです。実は、竹製の箸に限らず、日本で消費される割り箸の9割以上は日本以外の中国やアジア圏から輸入されていることをご存じでしょうか?日本製の割り箸には、木材を加工した時に出る端材や残材・間伐材が使われていることがほとんどで、海外製の安価な割り箸の台頭で国産割り箸は激減しています。
国内での年間生産量は?
先程取り上げた通り、日本で使われている割り箸の9割以上は海外から輸入しています。そして、国内で生産された割り箸の内、国産材を原料とするものは約85%(約15%は輸入材を国内で加工)で、素材のほとんどは海外との競合を避け杉やヒノキを原料しています。そのため、国産の竹を使った箸は大変数が少ないことが分かります。
どうやって作られているの?
竹箸はただ切って形を整えるだけでは作ることができません。竹はカビが生えやすく、安全に使用するためには、殺菌や乾燥の工程は外せません。また、海外の製造元によっては、商品に漂白剤や防カビ剤を使用している場合もありますので気になる方は薬品不使用の割り箸をお使いください。(原則、国内には厚生労働省の品質検査を通ったものが輸入されています)
<製造工程(一例)>
原料の伐採・裁断→煮沸→乾燥→切断→加工→仕上げ→検品→出荷
竹箸から箸について考える
竹箸には、他の箸にはない特性が詰まっています。どの箸を使おうか迷ったら、まずは竹箸を選んでみてはいかがでしょうか?