ついたくさん買ってしまうスーパーには秘密があった
スーパーマーケットで買い物をする際、多くの人が事前にリストを作るものの、つい予定外のものを買ってしまう経験があるのではないでしょうか。「これも必要かも」と思ったり、家に帰ってから「なぜ買ったんだろう」と後悔したりすることも珍しくありません。実際、とあるアンケートでは、ほとんどの人が「ついで買い」を経験していると回答しています。この現象の背景には、スーパーが活用している心理テクニックを駆使した陳列方法があります。今回は、代表的な陳列方法を5つご紹介します。
スーパーで使われている心理テクニック
1. 陳列棚に空きスペースがない
ついついたくさん買ってしまう時の陳列棚は、商品がびっしり陳列されています。スカスカな陳列棚を想像してみてください。欲しい物がなさそう、在庫が全然ない、管理が行き届いていない、などの悪い印象があるのではないでしょうか。それとは逆に、常に陳列棚にしっかり補充されていると、いつ買いに行っても買えそう、もっといい商品が見つかるかもしれない、管理が行き届いている、といったように良い印象があり、スーパーを選ぶ際の基準にもなります。そして、実際に見て回っているときも、ついつい手を伸ばしてしまうのです。
2. 安売り品は無造作な陳列が効果的
ジャングル陳列、圧縮陳列とも呼ばれ、あえてカゴのなかにごちゃまぜに商品を入れて安売りする方法です。「値下げ品」「特売品」「見切り品」等のポップと一緒に置かれていて、安売りの商品がカゴのなかにたくさんあると、目につきやすく、買う人にお得な印象を与えやすいのです。こういったものは予め何が売られているのかわからないことがほとんどなので、買うつもりがなかったものでも、良いものを見つけたような感覚になり、ついつい買ってしまいますよね。なかにはスーパーのチラシなどで予め把握して買いに行く人や、内容はわからなくても、特売品を目当てに買い物に行く人もいるので、売り場には人が集まりやすく、その集まる人につられて気になって見てしまう、ということもあるかもしれませんね。
3. ジャンルの違う関連商品を近くに配置
お肉が陳列されている棚の脇に焼肉のタレがおいてあったり、鍋のスープがおいてあったりする陳列方法です。こちらもどのスーパーでも見たことがあると思います。見慣れた光景ではないでしょうか。このように陳列されていると、買い物をしながら献立を決めることができますし、むしろ関連商品をみて、どのお肉を買って、どんなおかずを作ろうか決めることもあると思います。食材と関連商品を、同じ場所で買えるので、探し回ることもなくスムーズに買い物ができますし、その分他の商品を見る時間が増えます。買い物にあまり時間をかけられない方にとってもありがたい陳列ですよね。
4. 反時計回りになるように陳列
多くのスーパーでは、お客さんが反時計回りに回れるよう陳列されています。これは右利きの人が多いことが想定されています。右手で品物を取りやすいように、常に右側に棚があるように並べられているのです。スーパーで考えると、野菜は入ってすぐ、壁に沿って進んでいくとお肉、お魚、といったように並んでいるのが一般的ですよね。このように、生鮮食品は入ってすぐ、反時計回りで回る場合にすぐに見えるように陳列されていることが多いです。これは、生鮮食品はスーパー以外では手に入りにくいため、スーパーに来る多くの人が野菜や肉、魚を買いに来るからなのです。
5. 「ついでに買おう」を促進させる
レジにならんでいて、レジ横に並んでいるガムや乾電池などをみて、「買っておこうかな」とおもうことはありませんか?絶対に必要ではなくても、買ったことがあるという方も多くいると思います。小さくて少額なものなのであり、かつ消耗品で定期的に買うようなものだと、買っておけばそのうち使える、と思えるのでついでに買ってしまうことはよくありますよね。とくに、レジが混雑していて待ち時間があるときには、レジ周りの棚を見て待つことが多く、ついつい「あ、これも買っちゃおう」「これくらいは安いから買っても大丈夫」と、買ってしまいますよね。
以上が、ついつい買いたくなるスーパーの陳列術5つです。どれも自分の経験に当てはまっている、そんな人も多いのではないでしょうか。こうして1つ1つ見ていくと、とても良く考えられていると、感心してしまいますね。お店に商品を並べる際は、これらのテクニックを活用して、お客様がついつい買ってしまいたくなるような陳列を試してみてはいかがでしょうか?