115.紙ストローを使うメリットとデメリットは?環境に優しい理由を解説

環境に関する事
Drinking straws for party and silver stars confetti on yellow background with copy space. Top view of colorful paper disposable eco-friendly straws for summer cocktails.

コーヒーチェーン店やコンビニエンスストア、ファストフード店などで使われ始めている紙ストロー。しかし、長年使われてきたプラスチックストローの方がよいと感じる人もいます。
そこで本記事では紙ストローが使われている理由やメリット・デメリット、環境保全との関係を紹介します。

紙ストローとは?

紙ストローとは、文字どおり紙でつくったストローで、クラフト紙で作られるものが主流です。サイズは直径6x長さ210mmが一般的で、同じサイズのプラスチックストローが流通していたため、代替商品として同じ規格の紙ストローが開発されました。ストローはもともと紀元前4千年〜3千年前頃、古代メソポタミア文明で、ビールを飲むときに、葦(あし)の茎を使ったのが始まりとされています。やがて麦の収穫の際に取れた麦わら(straw)を使用するようになり、現在のように「ストロー」と呼ばれるようになりました。

麦わらのイメージ画像
出典:AdobeStock

そしてビニールストローへと移行して、現在のプラスチックストローに至っています。プラスチックストローの主原料はポリプロピレン(PP)です。ポリプロピレンで作ったストローは半永久的にマイクロプラスチックとして地球上に残ります。一方、近年使われるようになった紙ストローは紙からできているため、やがては分解する性質を持っています。

紙ストローが環境に優しい理由

マイクロプラスチックのイメージ画像
出典:Unsplash

紙ストローが導入されたのは、マイクロプラスチックによる環境汚染が深刻になったためです。紙ストローは環境に優しいとして導入されるようになりました。 プラスチックストローに限らず、プラスチック製品の不法投棄は、年々深刻さを増しており、毎年、800万トン以上のプラスチックごみが海に流れ込んでいます(※)。プラスチックの多くは使い捨てで、利用後にきちんと処理されず環境中に流出してしまうことも少なくありません。流出したプラスチックのほとんどが最終的に行きつく場所が「海」です。プラスチックごみが川から海へと流れ込むためです。すでに世界の海には合計で1億5,000万トンのプラスチックごみが存在しており、そこに年間800万トン新たに流入していると推定されています。海に流れ込んだプラスチックが紫外線で分解されてできるのが、半永久的に残る5mm以下のマイクロプラスチックです。マイクロプラスチックには有害物質が付着し、それを食べた魚や鳥、人間に健康被害を及ぼす危険性もあります。プラスチックごみは、人間を含む地球上の生物の生態系に影響するため、問題視されているのです。そこでプラスチックごみを減らす取り組みの一環として始められたのが、紙ストローに移行する取り組みでした。
世界的に「SDGs(持続可能な開発目標)」が叫ばれる中、プラスチックストローの使用をやめる企業も増えています。大手外食チェーンやコンビニエンスストアが段階的な廃止を決めたのも地球環境への配慮のためです。

※参考:WWFジャパン 「海洋プラスチック問題について」https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3776.html(入手日付2023-07-29)

紙ストローのメリット

リサイクルや焼却処分しやすい

燃えているイメージ画像
出典:Unsplash

紙ストローのメリットは、環境に優しい点です。プラスチックストローに比べて、紙ストローは分解も早く、リサイクルや焼却処分ができます。 一方のプラスチックもリサイクルは可能です。環境省が発表している日本のプラスチックリサイクル率は84%と世界的にも高くなっています。 しかし、そのうちの半分以上(56%)は焼却して熱エネルギーに変える「サーマルリサイクル(エネルギー回収)」で、焼却時には二酸化炭素も発生します(※)プラスチックごみの中にストローが占める割合は約1%ですが、影響はゼロではありません。量はわずかでも、焼却するプラスチックの量を減らすと地球温暖化の防止にもつながります。

※参考:環境省「プラスチックを取り巻く国内外の状況」https://www.env.go.jp/council/03recycle/20201120t2.pdf (入手日付2023-08-07)

お店で使うとよい印象につながる

紙ストローを採用する企業の立場では、プラスチックストローを紙ストローに換えると消費者からのイメージアップにつながるメリットがあります。株式会社ネオマーケティングの調査では「紙ストローを導入した企業・団体のイメージはよくなると思いますか」の問いに対して、65.2%が「よくなる」と回答しました(※)。目先の利益を追求するだけでなく「環境問題に積極的に取り組む企業」「SDGsに前向きな企業」とのイメージをもってもらうことは、消費者の信頼を得るためにも重要です。紙ストローを使用する店の利用者も「SDGsの取り組みに貢献している」と思えるため、人々の環境意識の向上にも寄与します。

※参考:株式会社ネオマーケティング 「紙ストロー導入に関する調査」 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000125.000003149.html (入手日付2023-08-07)

紙ストローのデメリット

プラスチックよりもコストがかかる

紙ストローのデメリットは、コストがかかる点です。
例えば、6x210mmのストロー10万本を製造した場合の1本あたりの価格は大体以下のとおりです。

●プラスチックストロー:1本あたり約0.8~1円
●紙ストロー:1本あたり約2~3円

紙ストローはプラスチックストローの3倍ほどコストがかかります。ただし、コストは年々抑えられていく傾向です。今後、紙ストローがより普及すると、大量生産でより単価が下がっていくと期待されます。

長時間使うとふやける

紙ストローは水に弱い性質を持っています。
耐水加工が施されているものの、紙製品のため長時間使用するとふやけてやわらかくなってしまうのが弱点です。
水に弱い弱点を克服した紙ストローの開発も徐々に進んでいます。
しかし、プラスチックの耐水性には及びません。ただし、今後の研究開発でデメリットを克服した紙ストローの登場も期待されます。

まとめ

紙ストローの基本的な知識や導入された背景、メリット・デメリットをお伝えしました。地球環境に優しい紙ストローですが、プラスチックごみ全体の中では小さな割合に過ぎません。
それでも小さなことから、環境保全活動に協力できます。
株式会社みやこは国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」に賛同し、環境に優しい商品の開発販売を通じて持続可能な社会の実現に貢献しています。
miyacoオンラインショップでは、植物由来の原材料を使用したコップや紙ストローなどの小ロット販売も行っていますので、是非ご利用ください。

紙ストローのイメージ画像
出典:AdobeStock

 

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