多様化するマスク市場
コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、生活になくてはならいもののひとつに“マスク”が増えたという方も多いのではないでしょうか。一時は供給不足に陥りましたが、異業種がマスク製造に参入したり、海外製のマスクを輸入したりしたことによって、現在では数え切れないほどの種類のマスクが店頭やオンラインショップで売られています。しかし、種類が増えたことで消費者の選択肢が広がったぶん、今度は商品の性能を比較することが難しくなっているのが現状です。マスクは見た目だけで性能を判断しづらいだけでなく、これまで公的な規格が整備されていませんでした。そのため各メーカーが独自に試験を行い、消費者はその結果を元に性能を判断せざるを得ない状態でした。
コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、生活になくてはならいもののひとつに“マスク”が増えたという方も多いのではないでしょうか。一時は供給不足に陥りましたが、異業種がマスク製造に参入したり、海外製のマスクを輸入したりしたことによって、現在では数え切れないほどの種類のマスクが店頭やオンラインショップで売られています。しかし、種類が増えたことで消費者の選択肢が広がったぶん、今度は商品の性能を比較することが難しくなっているのが現状です。マスクは見た目だけで性能を判断しづらいだけでなく、これまで公的な規格が整備されていませんでした。そのため各メーカーが独自に試験を行い、消費者はその結果を元に性能を判断せざるを得ない状態でした。
例えば、上図は“全国マスク工業会”の会員マークです。このマークは全国マスク工業会に加盟している企業の中でも、厳しい基準にクリアしたマスクのパッケージにしか使用することができません。消費者がマスクを選ぶ時の大切な指標ともいえますが、あくまで業界団体の定める基準であり、存在を知らなかったという人も多いのではないでしょうか?そこで国は、消費者が安心して商品を選択できるよう、2021年6月にマスクの日本産業規格(JIS)を制定しました。
“日本産業規格(JIS)”ってなに?
マスクでJIS認証を取得するための条件とは
厚生労働省などによると、JISマークの取得に必要な性能要件は次の通りです。規定された試験方法により試験を行い、捕集機能、圧力損失、安全・衛生項目等の性能要件を満たしていれば、材質、形状は限定していません。
(1) JIS T9001(医療用及び一般用マスクの性能要件及び試験方法)
① 医療用マスクは、一般医療、介護などに従事する方々が使用するマスクについて規定しています。
医療用マスクに必要な捕集機能、人工血液バリア性について、クラスⅠ、Ⅱ、Ⅲの3つにクラス分類し、また、共通の圧力損失(通気性)、安全・衛生項目を規定しています。
② 一般用マスクは、一般消費者が使用するマスクです。
4つの捕集機能(微粒子状物質、バクテリアを含む飛まつ、ウイルスを含む飛まつ、花粉粒子)と圧力損失(通気性)、安全・衛生項目を規定しています。
(2) JIS T9002(感染対策医療用マスクの性能要件及び試験方法)
感染対策医療用マスクは、感染対策に従事する医療従事者の方々が使用するマスクについて規定しています。人工血液バリア性等の付加性能の有無でタイプⅠ、Ⅱに分類し、性能要件とその試験法に加えて、安全・衛生面も考慮して規定しています。
(労働安全衛生法での防じんマスク用途ではありません。)
[出典:経済産業省-マスクの日本産業規格(JIS)が制定されました-]
マスクがJIS規格に適合しているということは、“基準を満たした品質のよい商品”の証となります。
たとえ感染対策としてきちんとマスクをしていても、そのマスクの性能が良くないと感染予防への効果もあまり期待できないのではないでしょうか。大手衛生用品メーカーやマスク製造に参入した企業では、次々と、JIS認証の取得向けて動き出しています。これからはマスクにJISマークがあるかどうかが、消費者の購入判断の基準になるかもしれませんね。
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