2024/01/09
病院・介護施設は平時よりもさらに厳しい衛生管理が求められている 新型コロナウイルスの流行によって平時の運用ができなくなった施設は数え切れないほどあります。 特に病院や介護施設などでは、平時以上に衛生環境が厳しく管理されるようになりました。 新型コロナウイルスに限らず、万が一施設内の備品や設備が原因で感染症などが広がると、施設の過失になる場合がほとんどです。 そうならないためにも衛生管理は重要なのですが、平時から衛生環境に気遣っている施設でさらに管理を徹底するためには、一体なにをすればいいのでしょうか? 今回は、病院や介護施設向けの衛生管理の方法を確認していきます。 現在取り組んでいる管理方法の見直しや新規導入の参考にしてくださいね。 衛生管理は“施設内”を優先しよう 新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化した2020年以降、病院や介護施設では感染対策の1つとして“家族の面会を控える”よう呼びかけるようになりました。 施設に出入りする業者にも“施設に入る際の検温・アルコール消毒”などを徹底するよう注意を促しています。 そして外からウイルスなどを持ち込ませないようにする対策の徹底と合わせて、施設内の衛生管理も肝心です。 どんなに外部から持ち込ませないように対策を講じても、ひとたび施設内にウイルスが持ち込まれてしまっては元も子もありません。 まずは施設内の衛生管理を優先し、万が一感染者が発生してもすぐ対処できるように備えましょう。 施設内の衛生管理でやっておきたいこと 施設内の衛生管理の方がより徹底すべきだと分かったところで、まずなにからやるべきなのでしょうか? 高額な設備の導入やスタッフの増員など、一朝一夕ではできないことから手を付ける必要はありません。 今まで行ってきたことを見直すことだけでも、対策の“強度”を増すことは可能です。 例えばこのような対策が挙げられます。 ①施設内を区分けして、区ごとに清掃用具を分ける 同じ施設内とはいえ、利用頻度や外部との接触があるかどうかによって、清掃にかける労力は変わってくるでしょう。 施設の共用部や廊下、出入り口など施設を細かく区分して、区ごとに清掃用具を分けて使いましょう。 清掃用具を分けることで、用具がウイルスを媒介・拡散して他の区分にまん延させる危険を防ぎます。 ②清掃用具は清掃が終わってからまとめて洗う 清掃用具の中には、モップや雑巾のように途中で洗って再び別の場所の清掃に利用するものがあります。 しかし感染対策という点では、非常に危険な行為だということをご存知でしょうか。 その理由は“水”です。 汚れたモップや雑巾を洗う時、ほとんどの人がバケツなどに水を貯め、その中で用具を洗います。 しかし、一度は汚れた用具を洗った水です。 その水で再び用具を洗ってしまうと、水がウイルスを媒介してしまい、きれいに洗ったつもりの清掃用具でウイルスを拡散してしまう恐れがあるのです。 そういった危険を減らすには “清掃用具は清掃が終わってからまとめて洗う”ことが大切です。 清掃中は用具が汚れたら、その場では洗わずにきれいなものと交換します。 清掃が終わってから汚れた用具をまとめて洗うことで、常にきれいな用具で清掃をすることができます。 ③一方向に清掃する 学校や家で清掃する時、雑巾や掃除機、フローリングワイパーを色々な方向に動かしている方も多いのではないでしょうか? 実際は一方向にかけた方が汚れは取れやすいのです。 色々な方向に動かすことで汚れやウイルスを広げてしまう恐れがありますので、施設などでは特に清掃は一方向に向かって行うようにしましょう。 ④利用者がよく触る場所は一日に何回も清掃する 共用部の清掃を一日に何度も行うことは難しいかもしれませんが、利用者がよく触る場所はこまめに清掃する必要があります。 共用部のドアや椅子、机だけでなく、一見触る人が限られていそうな個室のベッドや手すりなども一日に何回も清掃するようにしましょう。 ⑤人や共有物と接触したら、その度に手指を消毒する 手洗いなどの衛生管理において大切なルールの1つが、“完璧な除菌よりもこまめな除菌を目指す”ということです。 時間をかけて完璧な手洗いを1度行うよりも、簡単でもいいのでこまめな除菌を心がけましょう。 ⑥使い捨てのマスク・手袋・エプロンを着用する
ウイルスはいつ、どこで、どこに付着するか分かりません。 使い捨てのマスク・手袋・エプロンを着用しておけば、万が一ウイルスが付着しても頻繁かつ迅速に交換することができます。 病院や介護施設では、平時は感染源を持ち込まないようにし、もし持ち込んだ恐れがある場合は広げないことを意識することが大切です。 スタッフ一人ひとりが正しい知識と行動ができるようにしておくことで、施設内の感染対策をさらに強化していきましょう。
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